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ご挨拶

金沢大学学長


金沢大学学長 山崎 光悦

 近年、こころの発達に問題を抱えている子どもを巡る様々な社会的問題が顕著になってきています。発達のより早期に、子どものこころの問題に気づき、適切な支援ができれば、それぞれの子ども達が、生来的に持っている多様性や成長力により、たとえ異なる発達のみちすじを辿っても、自分らしく、社会の中で生き生きと暮らすことができます。残念ながら、現代社会は人工的な環境下での大人主導の硬直した教育が拡がり、子どもが自らの心と身体を駆使し柔らかな個性を発揮し力を付けていく状況にはなっていません。

 金沢大学は、北陸地区の総合大学としての特徴を生かし、「社会のための大学」としての使命のもとに、連合大学院小児発達学研究科の設立に参加いたしました。有為な人材の育成と卓越した知の創造を基本とした「教育重視の研究大学」の理念のもと、本研究科の充実を支援する所存であります。

 連合大学院金沢校の特徴は、文理融合により、子どものこころの問題を解明し、その発達障害の治療と発達障害の悩みをもつ子ども、及び御家族の支援を目標としていることです。この目標の達成を目指し、基礎研究から臨床治療・支援までの幅広い領域をカバーおります。特に、相手を認識し、記憶し、それに基づく信頼をベースにヒトとヒトとの間に成り立つ関係性、いわゆる社会認識の生物学的基盤の研究を推進する、「こころの相互認知科学講座」部門を特色としております。社会集団における個体間の関係性の障害としての自閉症を含む発達障害や、健常者における「希薄な人間関係」からくる適応障害などの医学生物学的研究、さらには、哲学や社会学を含め、総合的に教育研究を発展させる所存であります。

 大阪大学・浜松医科大学・千葉大学・福井大学とともに連携して、子どものこころの問題の解明に挑戦し、多様性とともに学際や総合の分野において、多大な研究成果を期待するところです。家族に対する支援を実現できるシステムとそのシステムを支える人材の養成により、社会に貢献できることを期待し、私の挨拶とさせていただきます。