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ご挨拶

副研究科長


副研究科長 大井 学

 金沢にすんで32年がたちました。人生のちょうど半分を金沢ですごした計算になります。移り住んだ初めころは金沢人のお国自慢が多少鼻についたものですが、いまではすっかり地元民になってしまい、自分が金沢自慢をするようになっています。
 金沢という街は面白いところです。方言重心が旧市街地にあるというように、独特の言語文化をもっています。地域共同体の伝統が引き継がれており、出初式で活躍する加賀鳶ともつながる古い町内会の組織が連綿と続いています。なんと金沢の町内会は自前で公民館や集会所をもっています。他の都市にはみられない特徴です。誇り高い自治の精神が息づいています。人間関係も稠密です。連合小児発達学研究科の金沢校の関係者が関与している、「自閉症サイエンスカフェ」では参加者同士のつながりが二重三重にできあがっています。金沢の地元企業の経営者のみなさんを対象にした「自閉症サイエンスカフェ」を実施したところ、「社員が自閉症と思える場合でも、金沢は人間関係が濃いのでクビにできない」というお話でした。市民が互いに何かのきっかけで縁をもっています。
 また、大勢の伝統工芸の匠たちがすまいし、彼らが作り出した工芸品を美術館や古美術商など街のあちこちで見ることができます。さらに第二次大戦で空襲にあわなかったため、古い街並みがそこここに残り、町家が立ち並んでいます。去年イギリスからお迎えしたフランチェスカ・ハッペ先生ご一家にお泊りいただいた場所も町家を利用した宿泊施設でした。食も金沢を語るときに抜きにはできません。加賀料理の老舗がそこここに点在しており、年に何度も食べに行ったとしても全部の店を回りきれないほどです(値段が高いのが玉にキズですが・・)。和菓子の生産販売も活発です。町内ごとに和菓子屋があるくらいの感じです。その延長で洋菓子もさかんで、県立美術館のティールームではかの有名なパテシェ辻口博啓の手になるケーキも味わえます。いついっても混んでいるのが難ですが。お茶お花もさかんです。街のあちこちにお稽古場があり、幼稚園の中にお茶室がつくってあったりします。
 他の都市から来たお客さんは金沢の街並みがきれいだといいます。さもありなんです。派手な看板は出せないように条例で規制されているのです。また、公園が多く緑豊かです。金沢校に通ってこられる院生には関西地方、東海地方の方も少なくありませんが、金沢駅から宝町の連合小児のキャンパスまで緑が続くことに驚かれます。中心市街地にある公園は大きな木々で埋め尽くされています。金沢城跡、兼六園、能楽堂や美術館、歴史博物館の森(本多の森といいます)と、歩いて通学されることをお勧めします。
 連合大学院の金沢校のご挨拶としては、金沢自慢に偏ってしまいました。金沢の街の伝統の中に身を置いて学問に精進するのも味わい深い体験になると思います。ぜひ金沢校をお尋ねください。

2016年4月1日