大阪大学大学院大阪大学・金沢大学・浜松医科大学
   連合小児発達学研究科 金沢校

こころの相互認知科学講座

発達障害市民ひろば ::::::::::::::::::::::::::::::

第46号 最新医学論文46

MeCP2欠損マウスのレット症候群様症状の部分的回復


Partial reversal of Rett Syndrome-like symptoms in MeCP2 mutant mice

Proc Natl Acad Sci U S A. 2009 Feb 10;106(6):2029-34.

ヒトで精神遅帯や自閉症状で知られているレット症候群は、MeCPs(methyl CpG-binding protein 2)の変異で生じる。マウスではMeCP2がBDNF(brain derived neurotyophic factor)を制御する事が知られている。脳幹でのBDNF発現を低下すると、呼吸機能を低下させる事が知られている。BDNFを治療に使おうとしたが、脳内へ移行しないのであきらめていた。 第2の候補分子としてIGF-1(Insulin-like growth factor 1)を考えた。IGF-1をMeCP2欠損マウスに連日腹腔内投与したところ、生存日数が約100日から150日に増加した。脳重量が増え、シナプスの形態も機能も良くなった。
マウスのこの結果はレット症候群や自閉症の治療の可能性を示している。