大阪大学大学院大阪大学・金沢大学・浜松医科大学
   連合小児発達学研究科 金沢校

こころの相互認知科学講座

発達障害市民ひろば ::::::::::::::::::::::::::::::

第48号 最新医学論文48

ダウン症候群モデルマウスで、ノルアドレナリンで調節される条件づけ記憶を回復させる


Restoration of Norepinephrine-Modulated Contextual Memory in a Mouse Model of Down Syndrome

Science Translational Medicine 18 November 2009 Vol1 lssue7 7ra17..

学習・記憶障害は、ダウン症候群の重要な症候の一つである。Salehiらは、ダウン症候群のモデルマウスにおいて、青斑核から海馬に投射するニューロンが変性するとともに、脳内ノルアドレナリンの含量が減少することを見出した。このマウスにノルアドレナリン前駆体であるドプス(L-DOPS:L-threo-3,4-dihydroxyphenylserine)とドパ脱炭酸酵素阻害薬であるカルビドパ(carbidopa)と併せて投与したところ、恐怖条件付け、巣作り行動といった学習・記憶の障害が改善された。同様の効果は、β1アドレナリン受容体部分作動薬であるザモテロール(xamoterol)でも認められた。これらの結果は、青斑核から海馬に至るノルアドレナリン作動性ニューロンが条件付け学習・記憶の成立に重要な役割を果たすことを示すとともに、脳内ノルアドレナリン濃度を上昇させる上記薬物を学習・記憶障害の治療に応用できるかもしれないことを示唆している。