大阪大学大学院大阪大学・金沢大学・浜松医科大学
   連合小児発達学研究科 金沢校

こころの相互認知科学講座

発達障害市民ひろば ::::::::::::::::::::::::::::::

第50号 最新医学論文50

自閉症の有病率増加に妊婦の血中セロトニン濃度が関係するという仮説


Serotonin,pregnancy and increased autism prevalence:Is there a link?

Medical Hypotheses 電子版 doi:10.1016/j.mehy.2009.11.015

自閉症スペクトラム障害(ASD:autism spectrum disorder)の有病率は、過去10年間に大幅に上昇したといわれる。この理由として、ASDが広く知られるようになって診断の機会が増えたことが考えられている。筆者はこれ以外に、近年使用頻度が増えているコカイン、選択的セロトニン血症が子どものASDに至る機序について、Whitaker-Azmitiaが以前提唱したDHSモデル(DHS:developmental hyperserotoninemia)に沿って、以下のような3段階の仮設を立てている。
1)母体の血中セロトニン濃度が上昇すると、未熟な脳血液関門を通じて胎児脳に移行する。
2)胎児の脳内セロトニン濃度が上昇すると、負のフィードバック機構によって、セロトニン含有神経終末が減少する。
3)この結果、視床下部-下垂体系からのオキシトシン分泌低下、扁桃体におけるカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP:calcitonin gene-related peptide)の産生亢進等の変化が起きる。