大阪大学大学院大阪大学・金沢大学・浜松医科大学
   連合小児発達学研究科 金沢校

こころの相互認知科学講座

発達障害市民ひろば ::::::::::::::::::::::::::::::

第52号 最新医学論文52

発達障害に浸透する小さな島と若者の下位前頭容積
Smaller insula and inferior frontal volumes in young adults
with pervasive developmental disorders

NeuroImage(2010),doi:10.1016/j.neuroimage.2010.01.085

自閉症スペクトラム障害(Autism Spectrum Disorder, ASD)において、小児期では頭囲や大脳容積の拡大が認められることが知られているが、成人期早期での大脳容積についてはほとんど検討されていない。32名の成人男性の高機能ASD(平均年齢23.8歳、平均FIQ=101.6)と40名の健常成人男性(22.5歳、109.7)を対象にMRIを撮像し、DARTEl法を用いたvoxel-based morphometryによる解析を行った。健常群と比べてASD群では、右の島、右の下前頭回、そして右の下頭頂小葉のそれぞれの灰白質の容積が有意に小さかった。またこの部位の容積はAQ得点と有意な負の相関を認めた。島は多様な認知機能の中継領域であり、この部位の異常がASD症状と何らかの関係があるかもしれない。