大阪大学大学院大阪大学・金沢大学・浜松医科大学
   連合小児発達学研究科 金沢校

こころの相互認知科学講座

発達障害市民ひろば ::::::::::::::::::::::::::::::

第56号 最新医学論文56

テストステロン投与は対人信頼感を低下させる

Testerone decreases trust in socially naive humans.

Bos PA,Terburg D,van Honk J

Proc Natl Acsd Sci USA 107 9991-9995

Proc Natl Acad Sci USA 107:11149-11150

ユトレヒト大学(オランダ)のBosらは、男性ホルモンのテストステロンが対人信頼感に与える影響を調べた。成人女性24名を被験対象とし、テストステロン、プラセボ(偽薬)の舌下投与後に見知らぬ人の顔写真を見せ、その人がどの程度信頼できるかを答えてもらい点数化した。その結果、テストステロン投与時にはプラセボ投与時に比べて信頼感が有意に低下した。また、プラセボ投与時の信頼感が高い女性ほど、テストステロン投与時に顕著な信頼感低下を示した。
 対人信頼感を高めるホルモンとしてオキシトシンが知られているが、その効果が過ぎると、信用するに足らない人まで信じてしまうことになる。今回の研究から、テストステロンとオキシトシンがバランスをとることによって、ヒトの社会適応性が調節されている可能性が示唆された。